私の幸せはどこ?それぞれの在処

novel

『コンカツ?』 石田衣良

アラサー4人が結婚に向けて動きながら見せる、女の友情と我儘と強さ

【あらすじ】

恵比寿の一軒家で共同生活を始めた4人のアラサー女たちの幸せへの戦い。自動車メーカー広告部、いわゆるバリキャリの岡部智香。清涼飲料メーカー企画部でスタイル抜群の小竹彩野。総合商社の秘書でバツイチ美女の森沙都子。フリーデザイナーで肉食系の中崎結有。合コン、男友達からの紹介、婚活パーティーなど結婚へ向けて奮闘するメンバー。惚れて惚れられて、傷ついて傷つけて、彼女たちそれぞれが自分の将来のために相手を見つけ選ぶため勇往邁進する。女の強さが見れる物語。

【推しフレーズ】

あのね、どんなルックスでも、年齢がいっていても、あきらめずに誘い続けられる男性は、実際にちゃんとゴールインしてるの。それは女性も同じ。自分からがつがついける人は、最後にはなんとかゴールにたどりつく。

運命なんて、自分の手で掴めばいい

受け身かそうでないか、自発的に動くかどうかで掴みとる運命は変えられるという。まあ当たり前っちゃ当たり前。勉強だって、運動だって、仕事だって、受け身である程度はできるかもだけど、伸びることはない。成果を出すには積極的に動いていくしかない。仕事では当たって砕けろ精神でガンガン主張できても、友人や恋愛になると足がすくむのどうしてだろう。怖くなる。断られることがすごく傷つくことに思えて、ダメなことに思えて恐れてしまう。一度、それこそスケジュールの問題であっても、たった一回断られると自分から動くことが難しくなる、弱くなる。一歩踏み出すのは怖い。それでも、試行錯誤して進み続けられたら、時間はかかるかもしれないが、ゴールを掴むことができるという励ましを念頭に置いておきたい。ひるんだ時のお守りになりそう。

自分の弱点を素直に相手にさらしてしまう。闘わないからこそ、初めから勝つことができるのだった。

自分から負けられる人は、弱そうに見えて実は強い人

負けるが勝ち。端から難しい、できない、敵わないと認める。簡単そうに見えるけどできる人はどれくらいいるのだろう。弱音をさらすには、まず自分が自分の弱いところを受け入れなくちゃならない。弱いと認めることがどこか負けを認めたような気がして、あがいてしまう私には難しい戦術。「試合に勝ったが、勝負には負けた」という言葉があるが、闘わずして勝つ人はこの相手のような気がする。

でも、人がどんなふうに自分を思うかなんて、コントロールできないんだよ。だったら、どう思われてもいいから、自分にできることを精いっぱいがんばるしかないんじゃないかな。

自分にできることと、どうあがいても届かないことがある

「人がどんなふうに自分を思うか」は関心範囲だが、影響範囲ではない。「自分にできることを精いっぱいがんばる」ことは関心範囲であり、影響範囲でもある。つまり、自分の行動次第で変えられるところに目を向けようという前向きな意見。相手がどう思っているか、相手からどう見られているか、他人からの評価を気にしがちな私にとって、この言葉はとても羨ましく思う。他人の目を気にしすぎていき苦しく思うこともあるから、「どう思われてもいい」と自分と他人を切り離せることが羨ましい。

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